「丈夫な瓦でもメンテナンスが必要。しっかり補強できるオススメの施工方法とは?」

長年にわたり日本家屋を守り続けてきた、古き良き屋根材といえば瓦です。瓦は耐久性が高く、何百年という長い年月にわたって大切な住まいを守ってくれる一方、築年数が長いと漆喰がはがれたり飛来物によって瓦にヒビが入ったりしてしまうことがあります。瓦屋根のご自宅に永くお住まいの方で、屋根の傷みを心配されている方も多いと思いますが、屋根が傷んできたらやはりメンテナンスが必要です。そこで、屋根の傷みによる住まいへの影響や、古くなった瓦屋根のメンテナンス方法などについてご説明しましょう。

 

 

補強工事を行うときは悪質業者に注意

 

丈夫で強いとされている瓦屋根ですが、時間が経つにつれてどうしても傷んできます。そうなると台風や地震で瓦がズレたりヒビが入ってしまったり、棟や谷の漆喰がはがれてしまったりと、放っておくと家そのものにダメージが及びかねません。

 

例えば、ズレた瓦や漆喰がはがれたところから雨水が入り込み、それが天井にしみ込んで雨漏りが発生してしまったといったことはよく聞くところです。被害が進むと天井がはがれ落ちてくることもあるため、そうなる前にメンテナンスを行うことが大切です。

 

ただし、漆喰が少しはがれたからといってすぐに雨漏りが発生してしまうということはありません。「漆喰がはがれているのですぐに対処しないと大変なことになりますよ」と補修工事を勧めてくる業者がいますが、そういった業者は適切な施工をしない可能性があるため注意しなければなりません。漆喰を上塗りするだけの表面的な工事をされただけでは対症療法にすぎず、その屋根に潜在する根本的な問題の解決にはなりません。

 

また、それ以外にも、何十年もの間に繰り返し曝されてきた強風によって、瓦を留め付けている釘やビスが浮いて緩んでしまっていることも多々あります。

 

では、屋根が傷んできた場合、どのようなメンテナンスをするのがよいのでしょうか。


土台からきちんと補強することが大切

 

漆喰がはがれてしまった場合は、既存の漆喰をはがした上で新しい漆喰を塗り直すか、瓦を一度はがして取り付け直すことで劣化に対する補強ができます。瓦にヒビ割れがない場合は、既存の瓦を再利用して葺き直すことも可能です。

瓦にヒビが入っていたり割れていたりする場合は、それらの瓦を撤去して新しい瓦に交換します。また、屋根全体で瓦にズレが生じている場合も、瓦を一旦撤去してから瓦を葺き直していきます。さらに瓦をはがしたときに屋根の土台(野地板)や防水シートが傷んでいる場合には補強したり張り替えたりする必要があります。

瓦のズレやヒビ割れ、浮き、漆喰のはがれなど、時間が経つにつれ傷んでしまった箇所については、劣化を隠してごまかすような工事をするのではなく、土台からきちんと補修・補強する工事を行うことが必要です。

 

「瓦は災害に弱い」は間違い

 

阪神淡路大震災や東日本大震災では多くの瓦屋根が被害を受け、「瓦は重くて災害に弱い」という認識を持った方もたくさんいることでしょう。

たしかに台風や地震によって瓦が飛ばされたり、棟が崩れたりする事故は発生していますが、「瓦屋根は災害に弱い」という考えには実は誤解があります。瓦の強度そのものに問題があるのではなく、屋根への取り付け方に問題があったのです。

そのため、災害によって瓦屋根が被害を受け、マスコミに繰り返し報道されるたびに瓦屋根の補強工法が見直されてきました。今では瓦屋根の補強を行う技術がかなり進んできています。ただ、一般的には、強い屋根にするために新たに瓦を取り付け直すには、かなりのコストがかかってしまうのが現状です。

そこで最近注目されているのが、コストを抑えて効果的な補強工事ができる「ポリフォーム工法」です。

 

既存の瓦をはがして葺き直す必要のないポリフォーム工法

 

瓦屋根の補強工事を行うにあたっては、既存の瓦をはがして葺き直す必要のないポリフォーム工法がオススメです。ポリフォーム工法とは、アメリカでハリケーン対策として開発された、瓦専用のポリウレタン接着剤のことで、しっかりと瓦を屋根に固定する工法です。ポリフォームを使用した補強工法は瓦と野地(瓦の下にある屋根の土台部分)の間にそれを注入するというシンプルな方法により補強をすることができます。

ポリフォーム工法で補強する最大のメリットは、今の美観をまったく変えることなく強力に瓦を固定できるということですが、それ以外にも次のような特長があります。まず、素材が硬質発泡ウレタンでできているため屋根の断熱性が高くなります。また、施工時に新たに釘穴をあけることなく取り付けることができるので、雨漏りの心配もありません。さらに、従来の工法に比べて作業効率も高いため、スピーディーな施工が可能です。

台風や地震が起きたときも被害を最小限に抑えることのできるこれまでにない工法であるうえ、従来の補強工事に比べてコストや施工時間もかからないため、瓦屋根のメンテナンスをお考えの方はぜひポリフォーム工法をご検討してみてはいかがでしょうか。

 

瓦は、経年劣化に非常に強い伝統ある日本の屋根材です。その美しい瓦屋根を健全な状態に保つためには、しっかりとした専門業者に相談をして、早めにメンテナンスを行うようにしましょう。

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